メガネの国家資格『眼鏡作製技能士』制度始まります!

厚生労働省より認定眼鏡士制度の後継としての国家資格『眼鏡作製技能士』が発表され、来年度からいよいよ制度が始まります。

リンク先 厚生労働省技能検定「眼鏡作製職種」を新設しました

近年メガネが過度に価格のみで評価されている昨今において、眼鏡作製技能士制度がメガネ業界全体としての技術の向上、ひいてはメガネをお使いになるすべての人々の満足と『視生活』の向上につながることを期待しています。私ももちろん取得するつもりです!

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私自身も既存の認定眼鏡士S級・SS級・SSS級との兼ね合いなど公表できる情報が入りましたら情報発信していこうと思います。

2021年8月25日に眼鏡技術者国家資格推進機構が記者会見を行いましたが、公益社団法人日本眼鏡技術者協会が試験業務を行う指定試験機関となっていることから、眼鏡作製技能士1級試験はSS級認定眼鏡士試験、2級試験はS級認定眼鏡士試験に準ずるようです。

ただ学科は認定眼鏡士試験が5科目(視機能系・医学系・工学系・加工調整系・マネジメント系)を一日がかりで受験して全科目それぞれで合格しなければならなかったのですが、50問90分の試験1つにまとめられる模様でこれが合否にどのような影響を与えるのかは不明です。

眼鏡作成技能士試験概要(2021年11月試験実施日が決定したので更新しました)

受験資格
1級
① 2級の技能検定に合格した者であって、合格後、眼鏡作製に関する業務に2年以上の実務経験を有する者
② 眼鏡作製に関する業務に5年以上の実務経験を有する者
③ 3年制以上の全日制眼鏡専門学校を卒業した者又は当該専門学校を卒業する見込みのある者であって、公益社団法人日本眼鏡技術者協会会長が受検を認めた者
④ 3年制以上の全日制眼鏡専門学校と同等以上と認められる外国の学校を卒業した者であって、公益社団法人日本眼鏡技術者協会会長が受検を認めた者
2級
① 眼鏡作製に関する業務に2年以上の実務経験を有する者
② 2年制以上の通信制眼鏡専門学校を修了した者

試験内容
■1級 〇学科試験=50問(90分)選択式(多肢択一法)
 〇実技試験=視力の測定(30分)、レンズ加工(25分)、フィッティング(20分)

■2級 〇学科試験=50問(90分)真偽法(25問)+選択式(多肢択一法25問)
 〇実技試験=視力の測定(30分)、レンズ加工(30分)、フィッティング(30分)

学科試験
試験受付期間 2021年12月6日から2022年2月28日
試験実施時期 2022年4月20日
試験会場:全国8会場(札幌・仙台・東京・鯖江・名古屋・大阪・岡山・福岡)
合格発表:2022年5月26日にホームページで公開、本人に通知
実技試験
受付期間:2022年6月1日から6月30日
試験実施時期:2022年7月25日~8月25日
試験会場:全国7会場(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福岡)
合格発表:2022年11月16日にホームページで公開、本人に通知

The Eyes「眼鏡技術者国家資格推進機構が「眼鏡作製職種」技能検定試験制度の概要を発表」
ニコンセミナー「~眼鏡作製技能士制度の概要~」レジュメより引用

眼鏡作製技能士の実技試験対策になるか!?実録!SS級認定眼鏡士試験体験記

7年前2014年に私が受けた際の認定眼鏡士SS級試験の記録です。 新しく始まる眼鏡作製技能士試験とは違う部分もあると思いますし、記憶違いがあるかもしれませんが参考になれば幸いです。

認定眼鏡士SS級試験は学科5科目(視機能系・医学系・工学系・加工調整系・マネジメント系)実技3科目(加工・フィッティング・視力測定)の3科目がありすべての科目を3年以内に合格する必要があります。合格できなければ全て最初からやり直しでした。

SS級認定眼鏡士実技試験について

加工
自分の店舗の加工機であらかじめ指定フレームにあわせ平摺しておいたレンズ(CR-39 1.5素材)に、試験会場で制限時間内にヤゲンを立てるという試験でした。

現在の実務ではあまり行わない加工なので試験前に店閉めてから練習を行いました。(今は内容が変わって平摺りから始めるのではなくレンズも1.6素材のようです)

フィッティング
シリコン製の頭部マネキンを使い、指定のフレームを制限時間内にフィッティングする内容でした。

これも練習あるのみですが横田流フィッティングの本を購入したり、吉野先生のフィッティングトレーナー講習に参加して技術を高めました。

マネキンは実在の方の頭の型を取って作成したそうで、左右非対称です。またシリコン製とは言え人間の皮膚より硬いためモダンの曲げ位置を短めにすると浮いてしまいがちですので注意が必要です。

検眼
最初にオートレフによる他覚値のデータを渡され、その場にいる眼鏡学校の生徒さんの検眼を行って制限時間内に両眼バランスをとった完全矯正度数を決定する試験でした。

自分は山崎弘仁先生の『眼鏡学教本』で勉強をしましたが、何を使って勉強するにせよ大事なのは自己流ではなく基本通りに検眼するということではないでしょうか?

例えば乱視検査時に雲霧法、クロスどちらを選択してもいいのですが、正しい球面度数設定を行わずに落ちる人が非常に多いそうです。

またゆっくりやっていると時間が圧倒的に足りませんので実際の試験をお店でシミュレーションして時間配分を考えないと終わらないと思いました。

とにかくプレッシャーが半端ではないので、100点を目指さず絶対にやってはいけないことをしっかり確認して時間内に測定終了まで落ち着いてできれば合格できるのかなと思います。

SS級認定眼鏡士学科試験について

眼鏡技術者協会が3000円位(当時)で「認定眼鏡士SS級認定試験アウトライン・例題集」という問題集を発行していたので購入してそれで試験の傾向をつかみ、詳しいことは「眼鏡学教本」「両眼視検査の基礎」などの本を見て勉強しました。

実際の試験問題は例題集より数段難しいレベルでしたがここで焦らず「このレベルなら他の人もできない!」と自分を落ち着かせて取り組み1年目ですべて合格できました。

すでに認定眼鏡士の資格を所持している人は‥?

2022年3月末時点でSSS級・SS級の認定眼鏡士の資格を持っている者は1級の学科試験と実技試験を免除され2022年7月27日・28日に行われる予定の特例講習会の修了試験(試験内容不明)に合格すれば眼鏡作成技能士1級になれる。

2022年3月末時点でS級の認定眼鏡士の資格を持っている者は2級の学科試験を免除され 2022年7月27・28日に行われる予定の特例講習会の修了試験(試験内容不明)に合格し、かつその後実技試験を合格すれば眼鏡作成技能士2級になれる。

とのことです。特例講習会の内容や修了試験についてなど正直現時点ではよくわからないことが多いので、詳細・正確な情報は眼鏡技術者協会ウェブサイトをこまめにチェックすることをおすすめします。

上記の特例が適用されるには会費を納付し、規定の単位の認定講習会を受けている必要がありますので眼鏡作製技能士を取得予定で不安な方はご自身の会員番号を用意して

日本眼鏡技術者協会の連絡先
大阪 06−4807−5070

で直接確認されて見てはいかがでしょうか?

2022.3.5UP! 特例講習会の申し込み開始!
申込期間は3月1日~5月31日までで申込みはインターネット申し込みのみ、支払い方法は銀行振込・コンビニ払い・銀行振込が利用可能です。


自分も早速申し込みをしましたが、証明用写真の画像データの用意とクラウドへのアップデートをする必要があるためある程度ウェブやPCの知識が必要かなと感じました。
難しいと感じる方は4月5日・6日に行われるWOFの会場で特例講習会の受験申し込みサポートコーナーが作られるそうですのでそれを活用するのもありかと。

自分も早速申し込みしました

2022.6.28UP!特例講習会の受験票が到着しました

ついに来ました!

『眼鏡作製技能士』技能検定スケジュールまとめ(11月20日更新)

2021年
12月6日 学科試験申込受付開始
2022年
2月28日 学科試験申込受付終了
4月20日(水) 学科試験日(全国8会場)
5月中旬 実技試験の詳細発表
5月26日 学科試験合格者発表
6月1日 実技試験申込受付開始
6月30日 実技試験申込受付終了
7月25日~8月30日 実技試験日(全国7会場)
11月16日 実技試験合格者発表
第一回技能検定試験合格者発表 

認定眼鏡士向け
2022年
3月1日 特例講習会申込受付開始
5月31日 特例講習会申込受付終了
7月27日28日 特例講習会・同修了試験実施
11月16日 特例講習会合格者発表
第一回技能検定試験合格者発表 

IOFT 眼鏡作製技能士セミナー資料より抜粋

PRポスター
公式様に使用許可いただきました!

2022年11月16日眼鏡作製技能士始まりました!

試験に合格し、1級眼鏡作製技能士となることができました。資格に恥じぬようこれからもお客様の『視生活』のため精進してまいります。

↓眼鏡作製技能士についてはこちら