日頃よりメガネのツチヤをご利用いただき、誠にありがとうございます。

近年、スマートフォンや携帯ゲームなどのデジタル機器の普及に伴い、お子様から若年層にかけての近見作業(近くを見る作業)の時間が増加しています。これに伴い、「後天共同性内斜視」という目の状態とデジタル機器の使用との関連が懸念されています。

このような状況を受け、日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会が、若年者の後天共同性内斜視に関する新たな提言を発表しました。目の健康を守る上で非常に重要な内容ですので、ぜひご一読ください。

後天共同性内斜視とは・・

後天共同性内斜視は、生まれつきではなく、後天的に発症する内斜視の一種です。その原因として、デジタルデバイスの過剰使用、近視、遠視、ストレス、疲労などが原因として考えられています。スマホを含むデジタルデバイスの過剰使用が原因の一つと考えられているため一部で「スマホ斜視」とも言われています。

今回の専門機関からの提言のポイント

日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会による今回の提言では、デジタル機器との付き合い方について、以下の3つの重要なポイントが挙げられています。提言のポイントをまとめてみました。

1:視聴距離と休憩を意識する

  • デジタル機器の視聴を含む近見作業を行う際は、30cm以上の距離を保つように心がけましょう
  • また、少なくとも30分に1回は、30秒以上画面から目を離し、遠くを見て目を休めることが推奨されています。これは目のピント調節機能を休ませ、負担を軽減するために非常に重要です。

2:見え方の異常を感じたら、すぐに眼科専門医へ

  • 「遠くのものがダブって見える(二重に見える)」など、いつもと違う見え方の異常を感じた場合は、デジタル機器の視聴を含む近見作業をすぐにやめ、早めに眼科を受診しましょう。早期発見と適切な対応が、目の健康を守る上で非常に大切です。

3:小さなお子様への配慮が重要

  • 5歳未満のお子さんは、斜視になっても見え方がおかしいと自分で訴えることが難しい場合があります。
  • そのため、2歳まではデジタル機器の使用を控えることが強く推奨されています。
  • 2歳から5歳のお子さんについては、ご家族の注意のもと、短時間の視聴にとどめるようにしましょう。お子様の目の発達段階を考慮した配慮が必要です。

提言の根拠となった研究結果について

これらの提言は、日本弱視斜視学会と日本小児眼科学会が全国調査を行った結果に基づいています。特に以下の点が明らかになっています。

  • 発症の傾向:後天共同性内斜視は、5歳から35歳の患者さんで確認されており、16歳をピークに中高生での発症頻度が高いことが示されています。また、過去に斜視や弱視の既往がある方や、左右の目の度数に差がある「不同視」の方に発症しやすい傾向が見られました。
  • デジタル機器使用習慣の改善効果:デジタル機器を長時間視聴していた156人に対し、視聴時間を減らし、視聴距離を30cm以上に保ち、休憩を挟むように指導したところ、3か月後には視聴時間と斜視角(斜視の角度)が統計的に有意に減少しました。そのうち10人(6%)は症状が改善しました。
  • 改善に関連する要因:長時間デジタル機器を使用していた患者さんのうち、初診時に立体視があったこと斜視の角度が小さいこと、そしてデジタル機器の視聴時間をそれまでの半分以下に減らすことが、改善と関連していることが示されています

関連する論文などの詳細は以下のリンクより提言の全文がダウンロードできますので御覧ください。


若年者の後天共同性内斜視に対する提言
日本弱視斜視学会、日本小児眼科学会、日本視能訓練士協会

https://www.gankaikai.or.jp/school-health/detail2/__icsFiles/afieldfile/2025/06/02/comitant_esotropia.pdf

メガネのツチヤからのメッセージ

現代社会においてデジタル機器は不可欠なものとなっていますが、その一方で、目の健康への影響も無視できません。特に、成長期のお子様の目は非常にデリケートです。

当店では、今回の提言を踏まえ、お客様の目の健康をサポートするために、以下のことをお勧めいたします。

眼科専門医による定期的な視力検査:特に成長期のお子様は、目の状態が変化しやすいため、定期的な視力検査が大切です。見え方に変化がないと感じていてもなにかおかしいと感じたら、まずは眼科専門医によるチェックをお勧めします。

子供だけでなく大人も

また、子どもだけでなく、大人もスマホの見過ぎによる眼の疲労を訴える方が増えています。

電車に乗るとスマホを20センチ位の極めて近くで見ている方が少なくありません。そもそも人間の目は30センチ以下の距離で長時間物を見るようには作られていません。スマホを35センチ以上離して見る。使用時間を抑える基本的な対策を今一度確認してみてはいかがでしょうか。

また適切な度数の眼鏡を使用することで、目に過度な負担をかけずに快適な視生活を送ることができます。メガネのツチヤでは専任の1級眼鏡作製技能士が一人ひとりに合わせたメガネをご提案いたします。必要に応じて、専門の眼科医への受診もお勧めいたしますのでお気軽にご相談ください。