
「白内障手術で視界はクリアになったけど、手元が見づらい…」
「日中の日差しや夜間のライトが、以前よりまぶしくてツラい…」
眼鏡技術者をしていると、白内障手術を経験された方から、このようなご相談をいただくことがあります。
白内障は、加齢などが原因で目の中のレンズ(水晶体)が濁り、視界がかすんだり、光をまぶしく感じたりする病気です。日本では年間100万人以上の方が手術を受けられており、非常に身近なものとなっています。
手術では、濁った水晶体の代わりに透明な「眼内レンズ」を挿入し、クリアな視界を取り戻します。しかし、多くの場合、この新しいレンズにはピントを調節する機能がありません。
そのため、「手術をしたからもうメガネは要らない」という訳ではなく、むしろ手術後の快適な生活のためには、ご自身の目に合った新しいメガネが不可欠となるのです。
そこで今回は、白内障手術後のメガネ選びで失敗しないための「3つの重要ポイント」をご紹介します。
Contents
ポイント1:いつ作る? ―作るタイミングは「術後1~3ヶ月」が目安
「早く新しいメガネが欲しい」と焦る気持ちは分かりますが、少しだけお待ちください。手術後の目はデリケートで、度数が安定するまでに1~3ヶ月ほどかかります。この時期にメガネを作ってしまうと、度数が変わってすぐに合わなくなる可能性も。まずは眼科医の指示に従い、視力が完全に安定してからメガネ作りを始めましょう。
ポイント2:どう選ぶ? ― あなたの「ライフスタイル」に合うレンズを選びましょう
手術後の新しい目は、いわば「ピントが一つに固定されたカメラ」のようなもの。読書、パソコン、運転など、あなたが生活の中で「何を一番快適に見たいか」を1級眼鏡技術者のような専門家にお伝えいただくことが、最適なレンズ選びの鍵となります。
お一人おひとりのご要望を丁寧にお伺いし、最適なレンズの種類(手元用、遠く用、あるいはその両方をカバーする累進多焦点レンズなど)をご提案します。
主なレンズの選択肢は以下の通りです。
白内障手術後のレンズの候補
1)遠近両用レンズ
- どんなレンズ?:遠くを中心に近くまで、1枚のレンズで見えるように設計されています。
- こんな方に:車の運転や外出がメインで、時々手元も見たい方。
- 知っておきたいこと:遠くを広く見せる設計上、パソコンやスマホなど手元を見るための視野は少し狭めです。パソコン作業では少し顎を上げて見るなど、慣れが必要な場合があります。
2)中近両用レンズ
- どんなレンズ?:室内での生活(中間距離~手元)が最も快適になるよう設計された、”室内用”の遠近両用です。
- こんな方に:パソコン作業、テレビ鑑賞、料理など、室内で過ごす時間が長い方。
- 知っておきたいこと:腕を伸ばしたくらいの距離にピントが合いやすく、視界の揺れや歪みが少ないのが大きな特長です。室内での快適さは抜群ですが、車の運転には使えません。
3)近々レンズ(手元ワイドレンズ)
- どんなレンズ?:手元の一点だけでなく、デスクの上など手元周辺に広くピントが合う”作業用”の老眼鏡です。
- こんな方に:手芸、読書、プラモデル作りなど、長時間手元での細かい作業に集中したい方。
- 知っておきたいこと:近くでピントが合う範囲が広く、顔を大きく動かさずに作業ができます。遠くは見えないため、室内用(中近)や外出用(遠近)メガネとの使い分けが前提となります。
このように、ライフスタイルに合わせて複数のメガネを使い分けることで、手術後の生活は格段に快適になります。
3.どう対策する? ― 術後の「まぶしさ」は専用レンズで対策しましょう
濁っていた水晶体がクリアな眼内レンズに変わることで、光をより多く通すようになり、「まぶしさ」を感じる方が多くいらっしゃいます。これは我慢せず、専用のレンズで快適にしましょう。
- 機能性カラーレンズ:まぶしさの原因となる特定の光(短波長光)をカットする特殊なカラーやコーティング(例:HOYA レイガード435など)。
- 調光レンズ:室内では透明、屋外では紫外線を浴びるとサングラスのように色が変わるレンズ(例:トランジションズなど)。掛け外しの手間が省けて便利です。
こうしたカラーやコーティングのまぶしさを防ぐ効果は、個人差があります。メガネのツチヤでは実際に体験いただき、掛けた時の印象も考慮し、最適なものをご案内いたします。
【まとめ】最高のパートナー(メガネ)を見つけるために
せっかく白内障の手術をしても、ライフスタイルや見たいものにきちんと合わせたメガネを使わなくては手術をしたメリットを十分に受けることはできません。
キチンと合わせた白内障手術後のメガネは、いわばあなたの新しい目の「最高のパートナー」です。
そのパートナー選びで最も大切なのは、
- 眼鏡店での「体験」: 必ず眼鏡店で「トライアルレンズ」(試しがけのレンズ)を使って実際の見え方を体験することが大切です。
- 実際の生活のシミュレーション: 自宅で普段行うこと(パソコン作業、料理中にテレビを見る、など)を想定しながら、実際にレンズを試して、どのレンズが使いやすいかを確認することが重要です。
メガネのツチヤがお手伝いできること
当店では、ご紹介した各種レンズ(遠近・中近・近々)の見え方を、すべて体験していただくことが可能です。
国家資格である1級眼鏡作製技能士が、お客様のお困りごとやご要望を丁寧にお伺いし、「どのレンズが合うか」「どのように使い分けるか」を具体的にシミュレーションしながら、あなたの生活がもっと豊かになるメガネ探しを全力でお手伝いいたします。
ご不安な点、ご不明な点がございましたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

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