PCと接続してクエスト2・3を利用している方へ・・。Wi-Fi6ルーター導入のススメ
横浜の下町の片隅から、1級眼鏡作製技能士兼VRユーザーが気まぐれでお送りするちょっとVRが便利に楽しくなるコラム第5弾。
ルーターをWi-fi6対応のものに買い替えたらOculus Air Linkを介したPC VR接続が快適になったお話です。Oculus Air Link あるいはVirtual Desktopなどを利用しVRゴーグルとPCの接続で「つながらない」「すぐ切断する」「不安定」などの症状が出ている方の参考になれば幸いです。
Oculus Air Linkとは
Oculus Air Linkとは、VRゴーグルのMeta Quest 2・3をワイヤレスでPCに接続する技術です。ケーブルの煩わしさから解放され、PC向けのVRコンテンツを自由に楽しむことができます。
クエスト用度付きレンズキットの販売を通じて、多くのVRユーザーの方々と話す機会がありますが、2024年になっても、まだ有線でQuestとPCを接続している方が意外と多いことに驚かされます。
クエスト2発売当初はOculus Air Linkがまだなかったため、私も3mのUSB-C & USB-A 3.0 ケーブルを購入し有線で繋いでいました。しかし、狭い部屋で3mもの長大なケーブルの取り回しが面倒な上、アクションゲームなどで少し体を動かすと狭い部屋ではすぐなにかに引っ掛けてしまうため有線接続は早々にあきらめ、Virtual Desktopを使用した非公式な無線接続を行っていました。
その後、2021年4月のソフトウェアアップデートで、Meta公式のワイヤレス接続であるOculus Air Linkが実験的機能として実装されたときは、本当に感動しました。ケーブルから解放され、VR空間を自由に動き回れるようになったことで、VR体験が格段に向上したからです。
まだPC接続をしていない方、あるいは有線接続をしている方は、ぜひAir Linkを試してみてください。ワイヤレスVRの快適さに、きっと感動するはずです。
ルーターをWi-fi6へ交換してみるとAir Linkの快適性が爆上がり
自室のLAN環境では5年ほど前に購入したELECOM製のWi-Fi 5ルーターを長らく使用していましたが、最近、接続デバイスが増えたこともあり、ウェブサイトの表示速度が遅くなるなど、性能低下を感じるようになりました。そこで、Wi-Fi 6対応ルーターへの買い替えを決意しました。
日本ではバッファローやELECOMなどが有名ですがTP-LinkはWi-fi機器で世界シェア一位のメーカーです。同等性能だとバッファローやELECOMなどの国内メーカーより2~3割ほど安い印象です。
Wi-fi6対応ルーターは高額という自分の思い込みがあったのですが、コロナ禍でのリモートワーク特需の反動か以前より大幅に購入しやすくなっていたため、TP-LinkのArcher AX72というWi-Fi6対応機種にしました。

同時接続可能端末80台。
これで実売8~9千円でした。
見た目が巨大なゴキ◯リみたいという点を除けば文句なし。

ほぼ同性能で縦置きできる
機種「Archer AX73V」「Archer AX5400」が発売されているので
今購入するならこちらがいいかもしれません。
クエスト2はQualcomのSnapDragon XR2チップを使用しており、Wi-fiシステムとしてQualcomm FastConnect 6800を内包しているといわれていますのでWi-fi6に対応、(6Ghz帯を使用するWi‐fi6Eには未対応)クエスト3は搭載しているSnapDragon XR2 Gen2チップを搭載しているためWi-Fi7/6Eまで対応しています。
ちなみに公式のOculus Air Linkの接続要件は以下の通り
- HMDとWi-Fiルーターの距離が6メートル以内
- Wi-Fiルーターの設置場所が床から高さ1メートル以内
- Wi-Fiの帯域が5GHz(acもしくはax)
- PCとWi-FiルーターがLANケーブルで有線接続されていること
- Oculus Linkの動作要件を満たすPC
自分の環境ではルーターを設置場所から壁一枚隔てた別の部屋でクエスト3をOculus Air Linkを介して無線でPCと接続しています。
Wi-Fi 5ルーターを使っていた時の悩み
Wi-Fi 5ルーターを使っていた頃は、Oculus Air LinkでPCに接続する際に、「接続条件を部分的に満たしています。」というメッセージが表示されることが常でした。 ゲーム中も、
- 突然PCを認識できなくなり、接続が切れる
- ラグがひどく、カクカクしたり、ゴムバンド(Rubber banding)現象が発生する
といった問題が頻繁に起こり、VRゲームを快適に楽しむことができませんでした。
VRchatのワールドに入ってもラグがひどく、数分で気持ち悪くなり中断することもしばしば。
Wi-Fi 6ルーターに交換してからの変化
Wi-Fi 6ルーターに交換してからは、Oculus Air Linkの接続が安定し、VRゲームを快適にプレイできるようになりました。特に、
- ラグがほとんどなくなり、滑らかな動きでゲームを楽しめる
- 高負荷なVRゲームも安定してプレイできる
- PCとVRヘッドセットの接続が途切れることがなくなった
など、VR体験が格段に向上しました。
もちろん旧ルーターでもOculus Air Linkによる無線PC接続自体はできていましたが、ルーター交換前は遅延やラグが通信環境ではなく、PCのスペックによるものと思っていました。それがWi-Fi6ルーターにしたことでほぼ完全に解消されています。正直ルーターでここまで快適になるとは思っていなかったのでいい意味で期待を裏切られました。
現在VRはPCのある部屋の隣やっているのですが、Quest2発売当初にUSBケーブルでPCと有線接続していた頃よりもむしろ快適なくらいなのは驚きです。
私のPCスペックとプレイしているゲーム
私のPCのスペックは、CPUがCore i5 8400、GPUがGeForce GTX 1660 Superと、決してハイスペックではありませんでした。
しかし、Wi-Fi 6ルーターのおかげで、2024年時点で最高のVRゲームと名高い『Half-Life: Alyx』や、日本で盛り上がりを見せる『VRchat』、そしてクエスト2を購入したときに早期購入特典としてついてきた大作RPG『Asgard’s Wrath』xウイング・スターファイターのパイロットになれる『Star Wars Squadrons』なども、画質を「低」に設定すれば問題なくプレイできています。
2019年ごろのミドルレンジGPUであるGTX 1660 superでも画質を「低」にすれば問題なくプレイできますので、逆にグラフィックボードは発売当時は重量級と言われたHalf-Life: AlyxでもRTX2060程度の性能があれば十分ではないでしょうか。(VRchatはRTX3060 12G以上と言われています)
Wi-Fi 6ルーター導入を検討している方へ
もし、あなたがOculus Air Linkを使っていて、
- 接続が頻繁に切れる
- ラグがひどくてゲームが楽しめない
- 有線接続の手間をなくしたい
といった悩みを抱えているなら、Wi-Fi 6ルーターの導入を強くおすすめします。
特に、Quest 3はWi-Fi 6Eにも対応していますが、2024年現在、6E対応ルーターはまだまだ少なく価格も高いですし、Wi-Fi 6ルーターでも十分快適なVR体験が可能だと思います。

ほぼ有線と変わらない速度を叩き出します
まとめ
Wi-Fi 6ルーターへの交換は、私のVRライフを大きく変えました。もし、あなたがより快適なVR体験を求めているなら、ぜひWi-Fi 6ルーターの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
唯一の欠点はクエストの本体バッテリーが1から2時間しか持たないことです。VRchatガチの方々のように長時間連続でプレイする場合はモバイルバッテリーやあえて充電のために有線にする必要があるかもしれませんが、私のようにゲーム重視のユーザーはボクシングゲームやリズムゲーム、FPSなど遅延にシビアなゲームでも問題なし。もう有線接続には戻れません。
Wi-fi6ルーターと度付きレンズキットとはPCVRユーザーの満足度を大きく上げる可能性があると思います。クエストユーザーの方々の快適なVRライフの一助になれば幸いです。
Tips
それまで問題なくAirlinkで接続できていたのに、最近調子悪くなったというかたはまずはルーターの再起動がお勧めです。
方法はメーカー、機種によって様々ですがそれほど難しくないですしこれだけで回復するということも少なからずあります。
先日もAirlinkで起動するたびペアリングを求められるようになるトラブルがありましたが、これで回復しました。

1級眼鏡作製技能士による度付きレンズキットの製作もしています。Wi-fi6ルーター同様にVR時の快適度が圧倒的に上がるかも。

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