高い遠近レンズと安い遠近レンズの違いは何?

現在遠近レンズなどの累進多焦点レンズ(=一枚のレンズに複数の度数が入っている)はレンズメーカー各社から発売されています。

そして、同じレンズでもそのグレードで価格は大きく異なります。設計の違いはどこにあるのかまとめました。

累進レンズ設計による分類

  • 両面複合累進設計
  • 内面累進設計
  • 両面設計(外面累進内面補正)
  • 外面設計

上に行くほどハイグレードになります。

グレードが高いほど、度数などの条件が同じ場合は
『揺れや歪みなどの違和感が少なく』
『視野が広い』

傾向があります。

また一般的にハイグレードなレンズほど制作時に工数が多く作るのに手間とコストがかかります。

注意すべき点は一般的に「両面設計」といわれるものよりも「内面累進」の方がグレードが上だということです、基本的に多くのレンズメーカーのハイエンドレンズは内面累進となります。

注)設計の名称はメーカーにより異なります。

また同グレード設計内でも開発時期の新旧などで性能は異なります。

各設計の特徴

外面累進(グレード4)

一枚のレンズで複数の度数を実現する「累進面」が外にある設計で2000年初頭までほぼすべての累進レンズがこの設計でした。

あらかじめ累進面をつけた半製品を大量に在庫しておき店舗からのオーダーがはいってから球面、乱視度数を研磨して付与する方法です。

両面設計(グレード2)

外面累進の改良型です。

違う点は外面累進が半製品から作る制約上、基準度数から処方度数が外れた場合などに発生する収差を内面にフリーフォーム技術で補正したもの(外面累進内面補正)です。

内面累進(グレード3)

「累進面」が内にある設計。

ドリルの様なカッターで自由にレンズ基材を切削するフリーフォーム技術により累進面を含め、レンズの内側を切削することで度数をつけていく方法です。

設計や加工の自由度が上がりより柔軟で効果的な累進レンズ作成が可能になりました。

両面複合累進(グレード1)

HOYAが2003年採用した累進面を目に遠い凸面側の外面と目に近い凹面側の内面両方でフリーフォームで組み合わせて形成する設計。

内面累進のメリットである揺れ歪みの少なさと外面累進のメリットである必要な下方回旋量の少なさを兼備しているといわれています。

当店で販売する累進レンズは原則「内面累進設計以上」のグレードを販売しています

そしてインディビジュアルレンズの時代へ

レンズ設計の進化の歴史はレンズ加工機の進化の歴史でもあります。

レンズ加工機の進歩により可能になったフリーフォーム加工が累進設計に目覚ましい進歩をもたらしました。

設計技術だけで見やすさを向上させることはハイエンド累進では限界を迎えつつあります。

そこで、さらなる見やすさの追求のためにお客様一人一人の度数、装用状態ごとにレンズ設計を最適化していくインディビジュアルレンズにレンズメーカー各社は力を入れてきています。

参考:特集ブログ フルオーダーメイドメガネ作成システム HOYA LLI

レンズの基礎設計の向上に加え、一人一人の顔やフレーム計上をレンズ設計に反映することでさらなる見え方の向上につながります。

まとめ

これまで累進レンズの設計について書かせていただきました。

近年のレンズの設計の向上は目覚ましいもので黎明期の累進レンズに比べると揺れや歪み、視野の広さなどは別物といえるほど向上しています。

ただしメガネはレンズの設計グレードだけで決まるわけではありません。

同一人物に同じレンズ度数、同じフレームなど全く同一条件でメガネが作成されればハイグレード設計のほうがよく見えるということです。

どんな高級食材で料理を作っても、長年修行をつんだベテラン料理人と修行をはじめたばかりの新人ではまったく料理の出来が違うようにどんなにすぐれた設計のレンズを使っても、コンサルティング、度数決定、フレーム選択・フィッティングなど他の要素が正しく行われなければ意味がありません。

何より大事なのは知識と経験を検査員がお客様のニーズを時間をかけて相談し、正しい知識に基づいて適切な度数を選択し、トータルとして適切なメガネが作成できるかが重要です。

それがあって初めて設計の優位性が発揮されるということをご理解いただけますと幸いです。

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