チップセットの進化

現在のデジタル補聴器はマイクから入る様々な音を瞬時に分析して使用者の聴力や環境に応じてもっとも言葉が聞き取りやすい形で出力する必要があります。そしてその際の複雑な計算をおこなうチップの性能が補聴器の聞こえに大きく関係しています。
パソコンの心臓部であるCPUやGPUが製造プロセスの微細化などの技術の向上で、数年で以前の数倍の性能向上をはたしているのと同様に、補聴器の心臓部であるチップもめまぐるしく性能が向上してきました。

世界有数の補聴器メーカーであるフォナックも約二年ごとに新たなチップを開発し、 「Spice」スパイス以降は補聴器にその頭文字をつけています。

  • Spice (スパイス)
  • Quest (クエスト)
  • Venture(ヴェンチャー)
  • Bilong(ビロング)

そして、2019年に発売されるのが Marvel(マーベル)です。

個人的に思うフォナックの凄いところはチップを変更するたび、名前だけ変えるのではなく、音質やユーザビリティなどが目に見える形で向上していく点ですね。さすがにチップ開発に年間数十億円の研究開発費をつぎ込んでいるとされているだけあるなと感じます。

オーデオMシリーズの主な変更点

  1. 充電式タイプのラインナップに普及帯の30クラスが追加され最安値がこれまでの260,000円から200,000円に2割以上安価になった
  2. スマホから他の機器を介さずにBluetoothで直接ストリーミングや音楽を聴くことが可能になった、さらに充電式タイプもBluetoothに対応
  3. レシーバが2ピンの物から、3ピンの全く新しいものへ、それに伴い耳栓と耳垢ガードも変更

個人的に注目なのは②のスマホとの連携強化です。前モデルでもビロングダイレクトというスマホと連動できるモデルはありましたが、通信機能をハンズフリー通話でしか利用できませんでした。それに対しマーベルモデルではiPhone、アンドロイド問わずスマホに入れた音楽や映画、ゲームの音声、Radikoを別の通信機(コムパイロットなど)を通さず直接聴けるようになりました。さらに充電式であれば、Bluetooth使用時は補聴器側の電力消耗が大きい問題を気にしなくて良くなります。

つまり「補聴器をしていてもスマホで音楽を楽しむことをあきらめたくない」人にもお勧めです。

他社でもスマホとのストリーミングを行える機種がありますが、iPhoneのみ対応しているメーカーがあるので要注意です

実際に装用して音楽を聴いた際の感想

オーデオM-R(充電タイプ)を休日の外出に装用し丸1日使ってみました。
セッティングは簡単で自分のアンドロイドのスマートフォン(Zenfone3 ZE552KL)に通常のBluetoothイヤホンなどと同じように接続できます。利用にあたり特別なアプリや中継器は必要ありません。


(自分のスマホの設定画面では上記のように表示されました)

ストリーミング音質は良好です。有線接続の高級イヤホンには及びませんがAACやMP3、Radikoを聞くにはまったく問題ないと感じました。また補聴器ですのでイヤホンとは違い音楽を聴いていても、マイクを通して周囲の音がよく聞こえます。
気になる点はみなとみらいの人の多いエリアでは電波の干渉からか、たまにストリーミングの断音が発生しました。ただこれは通常のBluetoothイヤホン等でも起きますので仕方ないことかもしれません。また遅延はかなりありますのでいわゆる『音ゲー』にも向いていないでしょう。
いずれにせよスマートフォンが私たちの生活に欠かせなくなっている現在、難聴者の方のスマートフォンの利用しやすさを飛躍的に向上させる革新的な補聴器だと思います。当店にてお試しできますのでお気軽にご相談ください