コロナ禍でマスクをしていることがコミュニケーションに与える影響

コロナ禍でマスクをしているのが当たり前になっている現在、マスクをしていることで今まで以上に難聴者や補聴器をお使いの方が会話を理解することが難しくなっています。

その理由として『口元が見えないことで話し手の口の形を見て言葉を推測することが困難になること』、そして『マスクがフィルターとなって言葉の聞き取りに大きな影響を与える高音域を中心にカットされてしまうこと』の2つが考えられます。

マスクをしている人との会話は聞こえにくい

マスクしている相手の会話が聞きやすい補聴器フィッティングとは

補聴器のマスク専用プログラム

こうした現状を受けて多くの補聴器メーカーはマスクを通しての会話を聞きやすくなるフィッティングを模索しており、スターキーのように「マスク用プログラム」を出荷時にプログラムオプションに追加しているメーカーもあります。

また補聴器メーカーのフォナックは独自に研究を行いマスクの影響で高音域が減少することでどの程度語音明瞭度に影響を与えるかを測定し、フィッティングソフト上から「マスク専用プログラム」を作製するガイドラインを作成しました。

その内容は大まかに言えば「ささやき声から会話音程度の大きさの入力音に対して3kHz~4kHzの利得(ボリューム)を上げ、更に高音域の4kHzはさらに利得を上げる」というものです。具体的に何dB上げるかはその方の聴力や現在のフィッティングによりますが、この変更自体はフォナック社に限らずほぼすべてのデジタル補聴器のフィッティングソフト上で適用可能です。

マスク専用プログラムの注意点

マスク専用プログラムはマスクの装着で減衰した高音域の利得(=ボリューム)を上げるものですが、語音明瞭度を上げるために高音域を上げるという考えは補聴器フィッティングではコロナ禍以前からよくとられる方法です。

ただし高音を上げると比較的難聴の程度が低い人では「人の声が機械を通したように聞こえる」「水の流れる音が耳障りに聞こえる」など不快感を訴える方もいらっしゃいます。実際に試してみて認定補聴器技能者などの専門家と相談しながら適用することをお勧めいたします。

「マスク専用プログラム」を体験したい方は認定補聴器技能者のいる当店にご相談ください

実際に「マスク専用プログラム」を体験したい方はご相談ください。認定補聴器技能者が最適な「聞こえ」が得られるようを対応させていただきます。

追記 マスクをするからといって必ず耳あな式補聴器にしなければダメ?

最近は『マスクをするから補聴器は絶対に耳あな式でないと嫌』と最初から決めてくるお客様もいらっしゃいます。

ですが低域の聴力が十分に残っている場合や補聴器を目立たせたくない場合は耳あな式以外の方がいい場合もございます。

例えば軽度難聴で低音域の聴力が十分に残っている方が耳あな式を使う場合はこもり感や自声の響きが大きくなってしまいます。

ベント(=空気穴)を大きくすることで改善されますが、そうすると本体サイズを大きく制作する必要があります。

現在のRICタイプの補聴器は以前に比べてかなり小さいのでマスクをしていても思ったほどには邪魔になりません。

先入観を持たず実際に装用体験をしたり、耳の形状や聴力などを考慮に入れて認定補聴器技能者などとご相談いただいてからお決めになることをおすすめいたします。

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